お歳暮をいただいたときに出すお礼状は、相手への感謝を伝える大切なマナーです。
しかし、夫が忙しくて書けないときや、都合で筆を取れないとき、妻が代筆してよいのか不安に思う方も多いのではないでしょうか。
実は、妻が代筆すること自体はマナー違反ではありません。
大切なのは、正しい形式を守り、心を込めて感謝を伝えることです。
本記事では「代筆しても失礼にならない理由」や「署名に添える『内』のルール」など、知っておきたいマナーを整理しました。
さらに、フォーマルからカジュアルまで幅広く使えるシーン別例文と、すぐに使えるフルバージョン例文も掲載。
読み終えたら、そのままお礼状を書き始められる完全ガイドになっています。
「どんな文面にすればいいの?」と迷ったときは、ぜひ参考にしてください。
お歳暮のお礼状を妻が代筆しても失礼にならない?
お歳暮をいただいたときに出すお礼状は、相手との信頼関係を大切にするための重要なマナーです。
しかし、夫が多忙な場合や書く時間が取れない場合、妻が代筆してよいのか不安に思う方も少なくありません。
ここでは、妻が代筆することの是非や、その際に気をつけるべきマナーについて解説します。
代筆はマナー違反ではない理由
夫が事情により直接お礼状を書けない場合、妻が代筆することはマナー違反にはあたりません。
大切なのは、相手に対して誠意を持って感謝の気持ちを伝えることです。
「妻が書いたから失礼」ではなく、「代筆でも気持ちが届く」ことが一番のポイントです。
状況 | 代筆の可否 | 注意点 |
---|---|---|
夫が多忙 | 代筆OK | 丁寧な言葉遣いで |
夫が体調不良 | 代筆OK | 相手に理由は書かない |
夫が在宅中 | 本人が書くのが理想 | 時間がなければ妻が代筆 |
「内」の書き方と位置のルール
妻が代筆した場合は、署名部分に「内」と小さく添えるのが基本です。
縦書きなら夫の名前の左下に、横書きなら右下に書き添えます。
「内」の記載を忘れると、本人の字かどうかが不明確になってしまうため注意が必要です。
夫に代わって妻が書く際の注意点
代筆の場合でも、文章は夫の立場で書きます。
例えば「主人共々感謝しております」といった表現を使い、妻個人の視点が前に出すぎないようにしましょう。
署名は必ず夫の名前で記し、その近くに「内」を添えることで、形式的にも正しく整います。
また、頭語や結語を省略せず、最後まで丁寧に書き上げることが大切です。
妻が代筆するお礼状の基本マナーと流れ
妻が代筆するときは、感謝の気持ちをしっかり伝えつつ、形式を守ることが大切です。
ここでは、お礼状を出すタイミングや、書き方の流れについて整理してご紹介します。
お礼状は何日以内に送るべき?
お歳暮をいただいたら、できるだけ早くお礼状を出すのが理想です。
遅くとも数日以内に届くように出すと、相手に誠意が伝わります。
早めにお礼状を送ることが、相手への最大の礼儀と覚えておきましょう。
状況 | 送付の目安 |
---|---|
贈り物を受け取った当日 | 理想は即日投函 |
忙しくて書けない場合 | 遅くとも2〜3日以内 |
年末の混雑期 | できる限り早めに投函 |
頭語と結語の正しい選び方
お礼状の冒頭では「拝啓」などの頭語を使い、最後は「敬具」で結びます。
妻が代筆しても、男性が使う形式を踏襲するのが基本です。
「かしこ」など女性専用の結語は使わないように注意してください。
文面を整えるときの女性ならではの注意点
文章はあくまで夫の立場から書きます。
「私」ではなく「主人共々感謝しております」などの表現を心がけましょう。
夫の立場を尊重しつつ、丁寧で落ち着いた文面に仕上げることが、代筆において大切な姿勢です。
お礼状の構成と書き方のポイント
お歳暮のお礼状は、基本的な流れに沿って書けば失礼になりません。
ここでは、文面を組み立てるときの具体的なポイントをご紹介します。
冒頭に使える時候の挨拶例(12月〜1月向け)
お礼状は、まず季節の挨拶から始めます。
年末年始に使いやすい挨拶としては、次のようなものがあります。
月 | 挨拶の例 |
---|---|
12月 | 師走の候/寒冷の候/歳末の候 |
1月 | 初春の候/新春の候/厳寒の候 |
季節に合わせた挨拶を入れるだけで、文章がぐっと格調高くなります。
感謝を自然に伝えるフレーズ集
感謝の言葉はお礼状の中心です。
次のような表現を組み合わせると、自然に気持ちが伝わります。
- 「このたびは結構なお品をいただき、誠にありがとうございました。」
- 「いつもご厚情を賜り、心より感謝申し上げます。」
- 「ご配慮いただき、主人共々御礼申し上げます。」
お礼の言葉はシンプルかつ丁寧にまとめるのが基本です。
体調を気遣う文章の入れ方
結びに向かう前に、相手を思いやるひと言を添えると印象が良くなります。
例えば次のような表現がよく使われます。
- 「お変わりなくお過ごしのことと存じます。」
- 「寒さ厳しき折、どうぞご自愛くださいませ。」
- 「新しい年が良きものでありますよう、お祈り申し上げます。」
相手への配慮を一言添えることで、形式的なお礼状から温かみのある手紙になります。
結びに使える「略儀ながら」の表現パターン
お礼状では、最後に「略儀ながら」の一文を入れるのが定番です。
これは、直接会ってお礼を伝えられないことへのお詫びの意味があります。
フレーズ | 使い方 |
---|---|
「略儀ながら書中をもちまして御礼申し上げます。」 | フォーマルな相手に |
「まずは書中にてお礼申し上げます。」 | 親しい相手に |
最後の一文で誠意を伝えることが、印象に残るお礼状の仕上げ方です。
妻が代筆する場合のお礼状【シーン別例文集】
ここでは、シーンごとにそのまま使える例文をご紹介します。
フォーマルな相手、親しい相手、どちらにも対応できるよう複数の文例を用意しました。
実際の手紙にそのまま書き写せる形になっているので安心です。
フォーマルな文例(会社関係・目上の方)
拝啓 師走の候、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
このたびは結構なお品を頂戴し、誠にありがとうございました。
平素よりお心にかけていただき、主人共々心より御礼申し上げます。
年の瀬も押し迫り、なにかとご多用のことと存じますが、どうぞ穏やかな新年をお迎えください。
略儀ながら書中をもちまして御礼申し上げます。
敬具
令和○○年○○月○○日
○○ ○○(夫の名前) 内
親しい相手向けの文例(親戚・知人)
拝啓 今年も残りわずかとなりましたが、いかがお過ごしでしょうか。
このたびは心のこもったお歳暮を賜り、ありがとうございました。
家族皆でありがたく頂戴いたしました。
寒さが一段と厳しくなってまいりましたので、どうぞ体調を崩されませんように。
まずは書中にて御礼申し上げます。
敬具
令和○○年○○月○○日
○○ ○○(夫の名前) 内
万能に使えるシンプル例文
拝啓 歳末の候、皆さまお変わりなくお過ごしのことと存じます。
このたびは結構なお品をいただき、誠にありがとうございました。
平素よりお心遣いを賜り、主人共々感謝申し上げます。
新しい年も変わらぬお付き合いのほどお願い申し上げます。
略儀ながら御礼申し上げます。
敬具
令和○○年○○月○○日
○○ ○○(夫の名前) 内
ややカジュアルで温かみのある文例
拝啓 寒さが身にしみる季節となりましたが、お変わりなくお過ごしのことと存じます。
このたびは素敵なお品をお贈りいただき、心より感謝申し上げます。
家族一同で楽しく使わせていただいております。
年末に向けてあわただしい日々が続きますが、どうぞご無理なさらずお過ごしください。
取り急ぎ書中にて御礼申し上げます。
敬具
令和○○年○○月○○日
○○ ○○(夫の名前) 内
そのまま使えるフルバージョン例文
ここでは、より長めでしっかりとした文面を整えたフルバージョン例文をご紹介します。
フォーマルなビジネス相手から、親しい間柄まで幅広く対応できる内容です。
文全体を一気に整えたいとき、そのまま使える便利なサンプルとしてご活用ください。
ビジネス向けの正式文例(フル文)
拝啓 師走の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
このたびは結構なお品を賜り、誠にありがとうございました。
平素より公私にわたりご厚情を賜り、主人共々心より感謝申し上げます。
年末ご多忙の折、皆さまにおかれましては一層のご発展をお祈りいたします。
略儀ながら書中をもちまして御礼申し上げます。
敬具
令和○○年○○月○○日
○○ ○○(夫の名前) 内
家族ぐるみでのやり取りに使える文例(フル文)
拝啓 歳末の候、皆さまお健やかにお過ごしのことと存じます。
このたびは心のこもったお歳暮を頂戴し、誠にありがとうございました。
早速家族でありがたく使わせていただき、温かいお気持ちに主人共々感謝申し上げております。
寒さもひとしお厳しくなってまいりましたが、どうぞお体を大切にお過ごしください。
来る年がさらに良き年となりますよう、心よりお祈り申し上げます。
まずは書中をもちまして御礼申し上げます。
敬具
令和○○年○○月○○日
○○ ○○(夫の名前) 内
友人・知人に送るやや柔らかめのフル文
拝啓 今年も残りわずかとなりましたが、お変わりなくお過ごしでしょうか。
このたびは心温まるお歳暮を賜り、誠にありがとうございました。
家族一同で楽しくいただき、主人も大変喜んでおります。
年末に向けてあわただしい日々が続きますが、どうぞご無理なさらず新年をお迎えください。
略儀ながら書中をもちまして御礼申し上げます。
敬具
令和○○年○○月○○日
○○ ○○(夫の名前) 内
まとめ:妻が代筆するお歳暮お礼状で大切なこと
ここまで、妻が代筆する場合のマナーや文例をご紹介しました。
最後に大切なポイントを整理しておきましょう。
最低限押さえておきたいマナーの要点
妻が代筆する場合でも、感謝の気持ちをきちんと伝えることが何より重要です。
署名の際には必ず「内」を添え、夫に代わって書いたことがわかるようにします。
頭語や結語を省略せず、丁寧に仕上げることが信頼感につながります。
ポイント | 注意点 |
---|---|
送付のタイミング | できるだけ早めに |
署名 | 夫の名前+「内」を必ず記載 |
文章の形式 | 「拝啓」「敬具」で整える |
文章で意識すべき「感謝と配慮」の心
お礼状は、贈り物への感謝とともに、相手を思いやる言葉を添えることでより温かいものになります。
「ご自愛ください」「良い年をお迎えください」などの一文を加えると印象が柔らかくなります。
代筆であっても、感謝と配慮の心を込めれば十分に思いは伝わります。
コメント